novel

ぴにおん!2

著者:樋口司 イラスト:タカハル MF文庫J メディアファクトリー 2009年2月28日初版第一刷発行 まゆ毛の一人称小説。前巻よりもずっと読みやすかった。 シームレスに妄想に繋いで嘘だと述べて不信を与えてくることもなかったし、吹き出してしまうような可笑…

ダブルブリッドVIII

著者:中村恵里加 イラスト:たけひと 電撃文庫 メディアワークス 2003年4月25日初版発行 ついに太一朗がほとんど登場しなくなってしまった。 序盤で描かれるのは瀕死の優樹だが、この巻ではまだそうはならない。八牧との別れが描かれ、直接に死に接していな…

ぴにおん!

著者:樋口司 イラスト:タカハル MF文庫J メディアファクトリー 2008年11月30日初版第一刷発行 まゆ毛の一人称で語られる。まゆ毛というのは主人公佐々木与四郎のあだ名で、それを名づけたのが表紙の木元二葉。 この語りが、長々と状況説明をしたあと、それ…

世界平和は一家団欒のあとに5

追いかけてマイダーリン 著者:橋本和也 イラスト:さめだ小判 電撃文庫 アスキー・メディアワークス 2008年7月10日初版発行 面白かったー! 中二度合いが酷くなっていたら、どうしようかと思っていたが、肝心な部分にだけ狙い澄ましてそういう要素を投入し…

聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)

著者:三浦勇雄 イラスト:屡那 MF文庫J メディアファクトリー 2008年03月03日第三刷発行 シリーズの一巻にあたるらしい。表紙とあとがきには「1.騎士」という副題がついている。 序盤での単語の使い方が、どうにも変に思えて、推敲しているのか疑問だった…

大盗禅師

著者:司馬遼太郎 文春文庫 文藝春秋 2007年01月15日第9刷 江戸幕府の三代将軍家光のころ。物語の種は、由比正雪の乱や明帝国の滅亡と清の成立に絡む国姓爺(こくせんや)鄭成功や、大濤禅師という人物についてと、いくつもあり、それらが関連して展開してい…

ダブルブリッドVII

著者:中村恵里加 イラスト:たけひと 電撃文庫 メディアワークス 2003年3月10日5版発行 大きなくまさんの話。なんだかもう優樹と太一朗の話では無くなってしまっていて、それがまた二人の断絶であって、喪失感が読中ずっとあった。 それと、言葉数もどんど…

山猫

原題:IL GATTOPARDO 著者:トマージ・ディ・ランペドゥーサ 訳者:小林惺 岩波文庫 岩波書店 2008年3月14日第1刷発行 イタリアの話。それも歴史的な舞台なのだが、残念ながらイタリア史の知識が無かった。最終的にそれは訳者あとがきで概要を知ることができ…

星封陣

著者:高橋克彦 講談社文庫 講談社 1997年4月1日第6刷発行 読み始めて、やはり伝奇は好きじゃないと思った。ライトノベルの方がまだ舞台に統一感がある分、鼻先で笑ってしまうような馬鹿げてつまらないという感想を持たずに読める、という感想を持った。それ…

世界平和は一家団欒のあとに4

ディア・マイ・リトルリトル・シスター 著者:橋本和也 イラスト:さめだ小判 電撃文庫 アスキー・メディアワークス 2008年4月30日再版発行 今まで、ほとんど登場しなかった長女の話。年上の落ち着いた女性を書くのが苦手なのか、それともライトノベルのター…

ダブルブリッドV

著者:中村恵里加 イラスト:たけひと 電撃文庫 メディアワークス 2002年8月10日9版発行 転換点の話。だというのに、決して無くても良いような独立したエピソードというわけでもなく、かといって本筋に深く結びついている話でもないという印象があった。武器…

ダブルブリッドVI

著者:中村恵里加 イラスト:たけひと 電撃文庫 メディアワークス 2002年6月20日6版発行 いったい、どこで間違えてしまったのだろうか。 なんと5巻と間違えて6巻を先に読んでしまった。そのことに、これを書く際に過去の記述を読み返していて、気が付いた…

火怨(下)

北の燿星アテルイ 著者:高橋克彦 講談社文庫 講談社 2004年3月25日第10刷発行 下巻になり、蝦夷たちを指して国と表現するようになった。 一方の朝廷軍は坂上田村麻呂という個人を描くようになる。 だがやはり、アテルイは国ではなく民衆をとり、田村麻呂は…

世界平和は一家団欒のあとに3

父、帰る 著者:橋本和也 イラスト:さめだ小判 電撃文庫 アスキー・メディアワークス 2008年8月4日4版発行 なんだか前半は、いよいよシリーズも失速してきたかなあ、と思っていた。 読み終えた今となっては伏線だらけだったのかと思うが、しかしそんなに気…

火怨(上)

北の燿星アテルイ 著者:高橋克彦 講談社文庫 講談社 2007年12月3日第14刷発行 行きつけのパスタ店のご主人に推薦された本。次に来たときには感想を聞かせてと言われては、読むまで行けないので読まねばなるまい、という冗談交じりの理由もありつつ、手に取…

世界平和は一家団欒のあとに2

拝啓、悪の大首領さま 著者:橋本和也 イラスト:さめだ小判 電撃文庫 アスキー・メディアワークス 2008年4月10日再版発行 さっそく続きを購入した。やはり崩すより積む方が速いのが世の習い。 ともあれ、相変わらずの男の子ロマンな話だった。 前巻を読んだ…

ダブルブリッドIV

著者:中村恵里加 イラスト:たけひと 電撃文庫 メディアワークス 2002年12月25日11版発行 しばらく中断していたが、ダブルブリッドシリーズの続きを読んだ。中断の理由に前巻でのなんだかシリーズの流れが変わったような印象があったかもしれない。 それは…

世界平和は一家団欒のあとに

著者:橋本和也 イラスト:さめだ小判 電撃文庫 アスキー・メディアワークス 2008年5月2日4版発行 一日で一冊読み終えたのは久しぶりのような気がする。 ひとつにはライトノベルだからというのもあるかもしれないが、楽しめたからというのが大きい。 一人称…

黒死館殺人事件

著者:小栗虫太郎 河出文庫 河出書房新社 2008年6月30日2刷発行 澁澤龍彦による解説と、細谷正充による文庫解説に、小栗虫太郎略年譜がついている。 著者が実に楽しんでいるらしい、読者をどんどんと幻惑の中に溶かし込んでくれるような作品である。 そうし…

ダブルブリッドIII

著者:中村恵里加 イラスト:たけひと 電撃文庫 メディアワークス 2002年4月30日10版発行 相変わらず、読みやすく、面白かった。 のだが、このシリーズはどこへ向かっているのかなあ、という疑問を持った巻だった。第一巻はともかく、第二巻では優樹と太一朗…

鉄道廃線跡の旅

著者:宮脇俊三 カバー:古川タク 角川文庫 角川書店 平成15年4月25日初版発行 世田谷文学館の宮脇俊三の展示を見に行ってきました。その場で購入した本。 先に鉄道に乗る話を読んだので、いわゆる乗り鉄という人かと思っていた。なので廃線跡の旅というので…

七人の武蔵

著者:司馬遼太郎 著者:津本陽 著者:山岡荘八 著者:光瀬龍 著者:武者小路実篤 著者:海音寺潮五郎 著者:山本周五郎 編者:磯貝勝太郎 角川文庫 角川書店 平成14年10月25日初版発行 歴史時代アンソロジーと、カバー表紙に書いてある。というわけで著者が…

ダブルブリッドII

著者:中村恵里加 イラスト:藤倉和音 電撃文庫 メディアワークス 2002年2月15日10版発行 優樹が追いかけっこをして、太一朗が酔っ払うだけの話。 だっていうのに、なんと面白く読めるのだろう。思うに、心情描写はそんなに無いのだけれど、というか、あって…

幻想症候群

著者:西村悠 イラスト:鍋島テツヒロ 一迅社文庫 一迅社 2008年8月15日初版発行 四つの中短編から構成される一冊。ということに、最初は気付かず、一作目を読みながら、この調子で一冊続けるのは難しいんじゃないかな大丈夫かな、などと思っていた。 そうし…

増補版 時刻表昭和史

著者:宮脇俊三 角川文庫 角川書店 平成19年10月20日再版発行 時は止っていたが汽車は走っていた。 時刻表を通して語られる著者と汽車との思い出で描かれる、戦前、戦中、終戦、そして増補での戦後。 人や物を運搬する能力は、よく国の威信めいたものを想起…

ダブルブリッド

著者:中村恵里加 イラスト:藤倉和音 電撃文庫 メディアワークス 2002年5月10日13版発行 泣きそうだ。 積読崩し家の秋山真琴さんから絶賛推薦された。 序盤はするすると読ませられる。文章の流れが自然で読みやすく、また登場人物たちのほどよく気の抜けた…

忍びの国

著者:和田竜 装画:村田涼平 新潮社 2008年5月30日発行 ようやく読んだ。まあ積読崩しならば、ようやくであるのも自然ではあるけれど。 忍びの国というのは伊賀のこと。現在の三重県、京都府と滋賀県と接するあたりの話。すぐ北の滋賀県内には甲賀があって…

城をとる話

著者:司馬遼太郎 カバーイラスト:吉田カツ 光文社文庫 光文社 2008年2月10日初版15刷発行 世田谷文学館に行ったときに、展示は入れ替え中のため見れなかったが、ブックカバーを買った。それを使ってみたくて、帰途に購入した本。 私が司馬作品を読み始めた…

のぼうの城

著者:和田竜 装画:オノ・ナツメ 小学館 2008年4月15日初版第六刷発行 著者の「忍びの国」という本を書店にて面白そうと思ったが、隣に本書があり、どうやら著者の第一作のようであったので、まずはこちらから読んだ。 時は戦国の末、豊臣秀吉の北条攻めの…

トワ・ミカミ・テイルズ I  国なしの皇子、乱国に起ちて

著者:日下弘文 イラスト:宮城 富士見ファンタジア文庫 富士見書房 平成14年9月25日初版発行 はてな記法を完全に忘れるくらい放置していましたが、秋山真琴の積読崩しの中で積読崩しをしている人から催促されたので、ちょうど読み終えた本もあることだし、…