ルパン、最後の恋

 最初に見かけたのは書店で、どこかの誰かが書いたルパンものなのかと思って買わなかったが、後々にニュース記事などで、モーリス・ルブラン本人のものだと知って驚いた。
 ルパンシリーズを読んでいたのは、どのくらい以前なのか、あまり明確に思い出せないが、小中学生の頃に学校の図書室で借りたようにも思う。読んでいると懐かしくなるような、馴染む文章というような気がした。
 相も変わらずルパンは強靭だし、美女や子供たちにアクションとしぶとい敵たちと、心踊るのだけれど、なんだかどこか悲しい何かをずっと見つめているような感じがしていた。それは分からなかったけれど、読み終えて冒頭の人物一覧に戻ったとき、怪盗紳士という記述を見て、分からなくてもいいかという気になった。
 楽しかった。