世界平和は一家団欒のあとに

 一日で一冊読み終えたのは久しぶりのような気がする。
 ひとつにはライトノベルだからというのもあるかもしれないが、楽しめたからというのが大きい。
 一人称でありながら、過度に心理描写を深めることなく、次々と起こる出来事で気持ちをありありと伝えられ、電車の中で読んでいるにもかかわらず、ついのめり込んでいた。乗り過ごしはしなかったが。
 いささかやっていることがガキくさいきらいもあるが、その大袈裟さというか荒唐無稽さのようなものも、読みながらでは語り手の感情に乗せられてしまっているので、気にならない。どころか、じつにドラマティックで楽しい。惜しむらくは多すぎてか登場人物全員が活躍しきっていないようだったことだ。次巻以降に期待、というところか。
 ところで、実は続きの巻を持っていない。手に入れなければ。