2009-01-01から1年間の記事一覧

態度が悪くてすみません

――内なる「他者」との出会い 著者:内田樹 角川oneテーマ21 角川書店 2006年6月5日三版発行 あちこちに載せた文章を寄せ集めたものとのこと。 なので、つながりがあるような、無いような。「日本辺境論」と合わせて、著者がどういう考えなのかを読もうと思っ…

僕は友達が少ない2

著者:平坂読 イラスト:ブリキ MF文庫J メディアファクトリー 2009年11月30日初版第一刷発行 なんだかんだ言いつつも読みました。 志熊理科が面白く可愛い巻。あとちっこい子たちの取っ組み合いとかは微笑ましい感じか。 メインヒロイン二人はどちらかとい…

ブレインハックス

―人生を3倍楽しむ脳科学 著者:佐々木正悟 マイコミ新書 毎日コミュニケーションズ 2007年7月12日初版第1刷発行 胡散臭い本。 もちろんそうばかりでは無いが、心理学者が脳のどこがどうとか言い出すと、とたんにそうなる。心理学は現象を統計的に扱う学問だ…

よいこの君主論

著者:架神恭介 著者:辰巳一世 イラスト:川奈梶馬 ちくま文庫 筑摩書房 2009年9月5日第2刷発行 ひろしくんはすごいなあ。 マキャベリの「君主論」を小学生キャラクターがクラスで勢力(友人関係)を拡大していく中での実践形式に沿って展開したもの、だと…

午前零時のサンドリヨン

著者:相沢沙呼 装画:加藤木麻莉 東京創元社 2009年10月15日初版 ニュートリノ? 酉乃さんが大好きな須川君が語る、日常の謎みたいな何かの話なのだけれど、謎やらはともかく、須川君の視点なので、酉乃さんが美人で可愛くて可愛くて仕方ない。 前半はそん…

一生懸命ふまじめ

囲碁トッププロの生き方 著者:武宮正樹 毎日コミュニケーションズ 2009年11月3日初版第1刷発行 囲碁をするソフトを作るのが好きな知人がいるが、最近は疎遠だ。囲碁ソフトは定石の蓄積となんか良い感じの思考から次の一手を決めるらしい(マルコフ連鎖がど…

感じない子ども こころを扱えない大人

著者:袰岩奈々 集英社新書 集英社 2001年07月22日第1刷発行 2008年10月29日第24刷発行 店頭で見かけて買ったが、読んでいる途中で奥付を見て発刊年がけっこう前だと気付いて意外だった。今でもまだあまり状況は変わっていないように思えるからだ。 他人の感…

世界平和は一家団欒のあとに7

ラナウェイキャット 著者:橋本和也 イラスト:さめだ小判 電撃文庫 アスキー・メディアワークス 2009年04月10日初版発行 214ページに漢字テストがあります。次版とかでは修正されているかな? それはともかく、刻人の話。頑固一徹って、実現する力が伴うと…

蒼穹のカルマ1

著者:橘公司 イラスト:森沢晴行 富士見ファンタジア文庫 富士見書房 平成21年1月25日初版発行 そういえば、暫くファンタジア文庫を読んでいなかった気がする。やっぱり前の表紙デザインの方が好きだ。他と同じようになってしまってはつまらない。くだらな…

ぴにおん!4

著者:樋口司 イラスト:タカハル MF文庫J メディアファクトリー 2009年8月31日初版第一刷発行 終わらないでくれ! 読み終えてから、これを書くまでに暫く時間をおく必要があった。実に盛り上がった話の余韻から覚めやらないというのもあったが、本当にこれ…

ぴにおん!3

著者:樋口司 イラスト:タカハル MF文庫J メディアファクトリー 2009年5月31日初版第一刷発行 傑作。 前々巻と前巻を丸々布石に使って、大胆にして緻密に展開される時間モノ。最後のあたりは、まだ裏があるのかと驚いた。 それにしても、著者はキャラクター…

デウス・レプリカ

著者:にのまえあゆむ イラスト:をん HJ 文庫 ホビージャパン 2009年09月01日初版発行 堅実にできた話。極端に悪くは無いのだけれど、どこが面白いかというと、特に無い。 どこかもっと突き抜けている部分があっても良かったように思う。仏教系の薀蓄とかあ…

僕は友達が少ない

著者:平坂読 イラスト:ブリキ MF 文庫 J メディアファクトリー 2009年08月31日初版第一刷発行 せもぽぬめ。 他人事とは思えないタイトルだったので、つい買って、そのあとに「ねくろま。」の作者だと知って、失敗したと思った。しかし「ねくろま。」を読ん…

夜と血のカンケイ。

著者:丸山英人 イラスト:osa 電撃文庫 アスキー・メディアワークス 2009年07月10日初版発行 夜音は可愛らしいなあ。 復讐というのがいまいちピンとこなかったり、盛り上がりもそれほどではない。 とはいえ、キャラクターが生き生きしているし、夜音や他の…

花に背いて

直江兼続とその妻 著者:鈴木由紀子 幻冬舎文庫 幻冬舎 平成20年12月05日初版発行 5 月に帰省した際に、母が貸してくれた。今年の大河ドラマ「天地人」の原作本とのことだったが、おそらくは原作のひとつ、といったような位置づけなのかと思う。ちなみに大河…

美貌の女帝

著者:永井路子 文春文庫 文藝春秋 1996年9月5日第14刷 氷高かわいいよ氷高。 巻末に収録されている磯貝勝太郎の解説が実に史伝への情熱に満ちていてまた読み応えがあった。 壬申の乱のあとの時代。天智天皇も天武天皇も世には無く、今上には天武の后である…

鼠と竜のゲーム

著者:コードウェイナー・スミス 訳者:伊藤典夫・浅倉久志 ハヤカワ文庫 SF 早川書房 1997年5月31日6刷 まずは目次から引用する。 序文/ジョン・J・ピアス スキャナーに生きがいはない 星の海に魂の帆をかけた女 鼠と竜のゲーム 燃える脳 スズダル中佐の犯…

時の娘

The Doughter of Time 著者:ジョセフィン・テイ 訳者:小泉喜美子 ハヤカワ・ミステリ文庫 早川書房 2006年11月30日24刷 イギリス史のミステリを病室のベッドで警部が推理を巡らす話。 たしか「星封陣」の解説あたりで知って購入した本。歴史ミステリなのだ…

花影の花

大石内蔵助の妻 著者:平岩弓枝 新潮文庫 新潮社 平成11年8月20日8刷 中盤以降、泣きっぱなしである。 副題にあるとおり、忠臣蔵こと大石内蔵助良雄の妻りくの話。りくと夫、りくと子供たち、りくと姑や嫁それから他の討入浪士の遺族などなど。 死んで、そこ…

世界平和は一家団欒のあとに6

星弓さんちの非日常 著者:橋本和也 イラスト:さめだ小判 電撃文庫 アスキー・メディアワークス 2008年12月10日初版発行 短編集である。シリーズ最新に追いついた。 内容は5作。雑誌掲載作が2、書き下ろしが2、書き下ろし掌編が1、という構成だが、初出…

ダブルブリッドIX

著者:中村恵里加 イラスト:たけひと 電撃文庫 メディアワークス 2003年12月25日初版発行 前巻からの続き。しかし、刊行年月日を見ると半年以上の間があるので、刊行と同時に読んでいたらさぞ驚いたことだろう。 もちろんシリーズものとしては続きなのだが…

ぴにおん!2

著者:樋口司 イラスト:タカハル MF文庫J メディアファクトリー 2009年2月28日初版第一刷発行 まゆ毛の一人称小説。前巻よりもずっと読みやすかった。 シームレスに妄想に繋いで嘘だと述べて不信を与えてくることもなかったし、吹き出してしまうような可笑…

ダブルブリッドVIII

著者:中村恵里加 イラスト:たけひと 電撃文庫 メディアワークス 2003年4月25日初版発行 ついに太一朗がほとんど登場しなくなってしまった。 序盤で描かれるのは瀕死の優樹だが、この巻ではまだそうはならない。八牧との別れが描かれ、直接に死に接していな…

ぴにおん!

著者:樋口司 イラスト:タカハル MF文庫J メディアファクトリー 2008年11月30日初版第一刷発行 まゆ毛の一人称で語られる。まゆ毛というのは主人公佐々木与四郎のあだ名で、それを名づけたのが表紙の木元二葉。 この語りが、長々と状況説明をしたあと、それ…

世界平和は一家団欒のあとに5

追いかけてマイダーリン 著者:橋本和也 イラスト:さめだ小判 電撃文庫 アスキー・メディアワークス 2008年7月10日初版発行 面白かったー! 中二度合いが酷くなっていたら、どうしようかと思っていたが、肝心な部分にだけ狙い澄ましてそういう要素を投入し…

聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)

著者:三浦勇雄 イラスト:屡那 MF文庫J メディアファクトリー 2008年03月03日第三刷発行 シリーズの一巻にあたるらしい。表紙とあとがきには「1.騎士」という副題がついている。 序盤での単語の使い方が、どうにも変に思えて、推敲しているのか疑問だった…

大盗禅師

著者:司馬遼太郎 文春文庫 文藝春秋 2007年01月15日第9刷 江戸幕府の三代将軍家光のころ。物語の種は、由比正雪の乱や明帝国の滅亡と清の成立に絡む国姓爺(こくせんや)鄭成功や、大濤禅師という人物についてと、いくつもあり、それらが関連して展開してい…

ダブルブリッドVII

著者:中村恵里加 イラスト:たけひと 電撃文庫 メディアワークス 2003年3月10日5版発行 大きなくまさんの話。なんだかもう優樹と太一朗の話では無くなってしまっていて、それがまた二人の断絶であって、喪失感が読中ずっとあった。 それと、言葉数もどんど…

山猫

原題:IL GATTOPARDO 著者:トマージ・ディ・ランペドゥーサ 訳者:小林惺 岩波文庫 岩波書店 2008年3月14日第1刷発行 イタリアの話。それも歴史的な舞台なのだが、残念ながらイタリア史の知識が無かった。最終的にそれは訳者あとがきで概要を知ることができ…

星封陣

著者:高橋克彦 講談社文庫 講談社 1997年4月1日第6刷発行 読み始めて、やはり伝奇は好きじゃないと思った。ライトノベルの方がまだ舞台に統一感がある分、鼻先で笑ってしまうような馬鹿げてつまらないという感想を持たずに読める、という感想を持った。それ…