世界平和は一家団欒のあとに5

 面白かったー!
 中二度合いが酷くなっていたら、どうしようかと思っていたが、肝心な部分にだけ狙い澄ましてそういう要素を投入してくるあたり、さすがと言うべきだろう。

「それと同じこった。そうそう世界の平和なんかに母親取られてたまるかってんだ」

 とくにこの台詞は、久々に作品が原点に還ったようで、この巻の力強さを象徴しているように思う。また、台詞中のそれというのが、以前に主人公軋人の父親がとった行動を指していて、それと重ねるのが少し無理がありそうなのだが勢いに乗ってなんだか納得してしまい、話に厚みを感じる。
 良いエンタテインメントを楽しませてもらった。次巻は短編集とのこと、短編とか得意そうな著者ではないように思うのだけれど、どうだろうか。
 あと、あとがきの最後の一行が最も衝撃的だった。