ぴにおん!

 まゆ毛の一人称で語られる。まゆ毛というのは主人公佐々木与四郎のあだ名で、それを名づけたのが表紙の木元二葉。
 この語りが、長々と状況説明をしたあと、それを嘘だと言い捨てることが多く、信頼できない語り手なので読みにくい。あるいは読んでいても素直に物語を楽しめない。
 まあそんな語りなんてどうでもいい。二葉が可愛い。なので次巻も読むとしよう。これは実に惹き付ける、迫力と勢いのある良い表紙だと思う。そもそもが表紙を見てこの巻を買ったのだった。
 話はいまいちだが、というか正直良くはないと思うが、キャラクター小説としては良いイラストもまた良さのひとつなのかもしれない。タカハル氏の他のイラストも見てみたいところだ。