椅子と日本人のからだ

 2004年1月に晶文社から刊行されたものだそうな。
 帯に「疲れない椅子を目指して」と「「座る技術」を探求する」とある。ひとつには疲れない椅子がどんなものかに興味があり、もうひとつには身体の使い方を考える材料として座る技術というのに興味を持ったので買ってみた。
 表紙の作りかけみたいな椅子が、実はひとつの到達点らしいことが中に書かれていて、意外に思った。
 最終的には椅子とか座ることとかからは飛躍して、作法というか所作と身体の使い方のような話になって、あまりまとまった内容とも言いがたいのだけれど、著者は体操競技をしていたということで、身体がどのようになっていて、どう扱えるかについては、妙に説得力を感じた。体軸とか中心感覚とか。
 言いたいことは、上半身を支えるのが骨盤の上ではなくて骨盤のところのが良いだろうってことだろうから、最初に全部書いちゃってあるのでそのあとが散漫に感じるのかもしれない。なので、後半は面白い事例集として読んだ。
 もう一冊、同著者の本を買ってあるので、続けてそれを読むことにする。