ブレインハックス

 胡散臭い本。
 もちろんそうばかりでは無いが、心理学者が脳のどこがどうとか言い出すと、とたんにそうなる。心理学は現象を統計的に扱う学問だと思う。脳科学は、とりわけ脳のどの部分がどういった機能を持つかを分割していく学問だと思う。それを同じ土俵に上げて、つなげて語るとなると、因果にいまいち違和感が残る。だから胡散臭い。
 まあ個人的な意見として、統計は言いたい意見に説得力を持たせるために付したい数字をつくるための手法の集まりだという偏見を抱いているのもあるかもしれないが。
 そんなわけで、全体的に苦笑とともに読んだのだが、しかし心理学の知見のみで語っている部分に関しては、納得のいくものではあった。とりわけ新しさを感じなかったのは、単に発行年のせいかもしれない。