ぴにおん!4

 終わらないでくれ!
 読み終えてから、これを書くまでに暫く時間をおく必要があった。実に盛り上がった話の余韻から覚めやらないというのもあったが、本当にこれで完結なのか、それが判然とせずに混乱していたのだと、今なら思う。
 おりしも先日読んだ「僕は友達が少ない」という同文庫からの本と登場人物の配置が重なっている部分があるように感じていたが、そのせいで打ち切られたんじゃなかろうなという疑念さえ湧いている。こっちのほうが断然面白いのに! もっともあちらは笑える面白さでわずかに秀でているとは思うが、しかし僅差であるしストーリー盛り上がりなど、他の点では本作の方が遥かに面白さは上回っている。
 そんな疑念を持つのも、前巻や前々巻で見事に構成された話を展開して唸らせてくれたのが、今回はどこか強引さが感じられるからだ。巧く盛り上げてくれていて、それで久しぶりに短時間で読みきったし面白くはあったけれど、なんだかまだ与四郎にしても他の面々にしても、シリーズそれまでの巻にあったようにちゃんと丁寧に感情を積み重ねていくのではなく、どこか一足飛びで、根拠の無い盛り上がりなんじゃないかという気が(盛り上がりながらも)ずっとしていた。
 終わり方も今思うと投げやりなのではという気もしてくる。これまでの巻だと投げやりというよりは、どこか一安心を感じるようなものだったように思う。
 いや、というより単に残念に感じているだけなのかもしれないけれど。もっと樋口氏の話を読みたいと思う。次のストーリーに期待しています。
 二葉可愛すぎる。反則だぜ。