火怨(下)

 下巻になり、蝦夷たちを指して国と表現するようになった。
 一方の朝廷軍は坂上田村麻呂という個人を描くようになる。
 だがやはり、アテルイは国ではなく民衆をとり、田村麻呂は組織の中で苦悩する。
 終局の壮絶は限りない。
 傑作であった。