知的な大人へのヒント

 抑制をきかせることが、インテリだという著者の、抑制がきいているのか知らないけどまあ、私にとってはともかくも初リンボウ先生本。
 つるっとしてる。とっかかりがなんだかそれほど感じられなかった。とはいえ著者の考えを読むという点においては楽しく、自己宣伝をしないのがインテリだよ、みたいなことを言いつつ、一方で自身の生活をインテリジェンスのあるものとして本にしているところとかの矛盾ぶりは、ちょっとずるいな、と感じる。というのも、確かにいいなと思える生活をされている様子で、そういう人がそれをインテリと呼んで名づけて世に出してしまうとなると、えてしてそこに向かうかどうかで知的かどうかを決め付けるような観が流布しかねないように思う。もちろん著者自身はそういう世界で権威的な人でいられるだろうけれど。とはいえそう簡単に世の中は動かないだろうと思ってはいるけれど(でもどうだろう、リンボウ先生知名度ありそうだし)。
 とまあ知的ならぬ痴的な私の心は置いておいて、本書にある事柄が知的かインテリかという面はともかく、内容は面白い。やってみたくもある。そしてこういう形を目指すのもいいな、と思える。抑制すること、そして自身の失敗談を楽しむこと、あとは主体的に動くこととかあたり。
 だがまあ、まずは何でもいいから力を注いでみることだろう。