人生を完全にダメにするための11のレッスン
- 原題「COMMENT RATER COMPLE`TEMENT SA VIE EN ONZE LECsONS」
- 著者:Dominique Noguez(ドミニク・ノゲーズ)
- 訳者:高遠弘美
- 青土社
- 2005年11月20日第一刷印刷2005年11月30日第一刷発行
なんとも素晴らしい本。これ以上に面白い本はそうはないだろう。
あまりに効いているユーモアが心地よくブラック。
ああもう、素晴らしい。
失敗学と書いてラトロジーと読むらしいが、ぜひとも入門してみるといい。
前半まででレッスンの7くらいまでが書かれている。前半というのはページ数で半分にした数字。ここまでが少々勾配のある上り坂なので、途中で読むのをやめたくなる可能性も少しあるだろうが、しかし、この前半で語られている失敗学の成立根拠を示す作業とその根本原理を長々と述べることがあって、ようやく意識は後半に示されるトレーニングを存分に楽しむ体勢になる。
もしも貴方が既に失敗学に造詣が深いのであれば、前半は飛ばしてしまってもいいかもしれない。レッスン8から以降の後半を読むといい。
レッスン8から各論というか、具体的に様々な場合を挙げて、いかに失敗するかを述べているが、なんとも面白い。とても面白い。訳者あとがきを読むとどうやら続編もフランスでは出ているらしいので、訳者の高遠氏にはぜひ続編も訳出してほしい。青土社の方にも、本書の売り上げとか気にせずに、ぜひ続編を出版してほしい。いちいち売り上げなんて気にして商売していては、正しく失敗できないですよ。だから頑張って(笑)
続編を首を長くして待つ。
さあみんな失敗学を学ぼう、そしてよりよく人生を失敗しよう。失敗に成功しない失敗がここにはある。素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい。