死にカタログ

 あとがきに、こうある。

ふつうの顔をして読める「死の本」をつくりたい。

 徒に深刻になることもなく、公平な視線で死を眺めている。
 さまざまな死の考え方や、死の年齢、死因、物語で描かれる死が、イラストで紹介される。死因を体の部分ごとの割合で表した「死のホムンクルス」が特に印象に残った。
 単なるデータブックから一歩抜け出ている点は、最後の「死のしまい方」の章だろう。言葉少なであり、絵も単純なものがちょっとあるだけのページだが、その空虚に満ちているものを感じた。この章だけ読んだのでは、きっと感じられないことなのだろうとは思うが。
 次は、あとがきでも紹介されていた「死の瞬間」を読んでみたい。