灼眼のシャナⅩ

 思うに、田中芳樹作品の間に読むべきではなかったような気がする。悪い点ばかりが目立って見える。
 といっても、もちろんキャラクターとか恋愛模様とか、上手いなァとは思う。
 しかしあまりこういう大戦とか、大きな物語を書くのが上手くないような印象を持った。あとついでに舞台や場面の描写が分かりにくい。装飾過多な文章は、まあ良いとしても、どうなっているのか、配置が良く分かりにくかったりするのはいかがなものか。まあそれでいいなら、構わないけれど。
 あと結局『壮挙』は何で止めなきゃならなかったのだろう。アシズを倒すことについては納得したのだけれど、そんなに頑張って『壮挙』を止めようとする理由がちょっとハッキリしなかったように思う。むしろそれなら『都喰らい』のときに頑張っておけよ、と思う。まあもちろん『都喰らい』は不意打ちめいた事件だったのだろうとは思うから、ただのツッコミでしかないけれど。言いたいことは、何で『壮挙』に向かってみんなそんなに動いてたのかな、ということ。
 さて、あと一巻で現在刊行している最新に追いつく。といっても2月あたりにまたシリーズ新刊が出るらしいけれど。
 もっと面白い作品を電撃文庫で探さないと、このままだと電撃文庫に対する自分の評価が不当に下がっていくような気がする。云々言うなら、もっと沢山読んでからにしないと。がむばろ。