ソフトタッチ・オペレーション
表紙買いである。可愛い。
チョーモンインというシリーズらしいが、他を読んだことがない。探してみたいと思った。
なにしろキャラクターが実に愛らしい。チョーモンインのメンバーが出ていない部分が、なんだか面白くなく感じるくらいに。とはいえ「闇からの声」のように、ほとんど出てこない作品でも、読みやすく、入りやすく、巧みな文章で楽しめる。
収録作は以下の5作。短編4作と表題作が中篇。
- 無為侵入
- 闇からの声
- 捕食
- 変奏曲〈白い密室〉
- ソフトタッチ・オペレーション
加えて、あとがきと、松尾由実による解説。
超能力の話でミステリになるのか、という疑念もあったが、構造としては超能力の作用の説明があったうえで、それを行使したのは誰か、といった形式が多く、立派なミステリだと思う。ジャンルについては詳しくないので知らないし、どうでも良いが、推測と解決を楽しむことができたのは確かだ。
そういった中でもバリエーションが様々あって、表題作は超能力が関係なさそうな部分が長い。神麻などもほとんど出てこないが、主役のフェティシズムが面白く、不思議と読めてしまう。
ともかく面白かった。シリーズを遡ろうと思う。