半分の月がのぼる空4 grabbing at the half-moon

 うーん。
 冒頭で前巻のケリは概ねついて、中盤まではだらだらと続く。
 メインになるのは夏目の話で、ここにもって来なくてもなぁ、と思いつつ読み進めることになった。夏目の話だけをとってみれば、良い話だったし、この巻の終わり方として何が企図されていたのかも、それなりに分かったと思うから、夏目の話があったことも悪くはないと思うのだけれど、しかしなぁ。
 もうちょっと配分の仕方があったんじゃないかなー、と思わなくもない。
 とはいえ、この巻は前巻と同様に最後の部分の駆け上がりは素晴らしい。
 そして薄暗い平穏を残して、次巻へ。ようやくこの作者が上手いんだと思い始めた。