映像の原則

 前項にて書いた、WEBアニメスタイル内の首藤剛志「シナリオえーだば創作術」(http://www.style.fm/as/05_column/05_shudo_bn.shtml)で紹介されていたのが本書。編集や校正がちゃんと入っていないのか、誤字脱字が散見されるが、そうした分かりにくさを推測で乗り越えれば、内容としてはとても面白いものだと思う。
 映像に特化している部分と、映像で表現するものとの関わりについて述べている部分とが混在しているが、それによって如何に作るかという視点が明確であり、理想形と、それを現実化する工夫と妥協点が、とくに後半では軸になっているようだ。前半は、固定された枠の中に作られた絵と感覚の相関といった基礎的な話が主にある。
 前半を読んでから、画面を意識するようになった。描かれている内容はもちろん追うが、どう描いているかということを、画面という固定サイズの枠との関連で見るようになった。こういう見え方も面白い。
 中盤から後半にかけては実践的になってきて、映像表現に特化した部分の中にストーリーやその演出の話がちらほらと出てくる。演出がどういうものなのか、おぼろげに見えてきたような気がした。